デザイナーだから考える。青色が与える27の効果と7つの活用例

今年のお盆休みは友人と旅行に行ったり、ボルダリングの体験をさせてもらったりしていて、ブログの更新が疎かになっていました。申し訳ありません。今週は月曜日から時差ボケのような感じで、あまりシャッキっとできていないんですが、頑張ってブログを更新して行こうと思います!
今日は、前回の「デザイナーだから考える。赤色が与える27の効果と6つの活用例」に引き続き「デザイナーだから考える。青色が与える27の効果と7つの活用例」について紹介させていただきます。青を基調としたデザインを考えるときにこの記事が役立てば幸いです。
青色を利用した7つの活用例
まずここでは、青色を取り入れたデザインや製品などを例に、青色が持つ効果やイメージについて紹介させていただきます。
聖母マリアのマントの青は「神秘的な印象与える」

地球上に存在する「物」としての青は、手にとって触れることの難しい色です。例えば世界中で見ることのできる空や、海は青色をしていますが、私たちはこれらに触れることができません(海には触れることは出来ますが、触れれば青ではなく、濁った透明になってしまいます)。このように見ることはできるが、なかなか触れることの出来ない青は、私達に神秘的なイメージを与えています。
聖母マリアのマントに描かれる青も神秘的なイメージを与えるために使われていると言われています。絵画の世界では聖母マリアのマントは青色で書く決まりがあったようです。また特にヨーロッパでは青色の原料であるラピスラズリー鉱石の入手が困難だったため、青は非常に高価な色だったそうです。なのでヨーロッパでは青を最高級という意味で使うことがあります。ブルーリボン賞などがそのわかりやすい例ではないでしょうか。
国連旗の青や童話青い鳥の青は「幸福や平和の象徴」

青色は「幸福」や「平和」の象徴として知られている色です。なぜ幸福や平和の象徴として青が使われるのかはよくわかりませんが、おそらく自然界に存在する青の代表的な存在である空が「どんなときでも、誰の上でも、青く、そして地球の全てを包み込む」ために、平等や公平・平和などのキーワードと結びついたんじゃないでしょうか。
余談ですが「青い鳥」はベルギーの作家メーテルリンクの著作で、元々は童話として書かれたわけではなく戯曲(演劇の脚本)として書かれた物語だそうです。
青いサングラスの青は「食欲を衰退させる」

私はまだ青いサングラスをかけている人を見たことがないのですが、ダイエット効果を狙って本当に青いサングラスをかけている人もいるようです(馬鹿にしているわけではありません)。
右の写真を見ていただけるとわかるかと思いますが、これじゃあ食欲が失せますよね。ちなみにこの写真は「青いサングラスをかけるとカレーがこんな風に見えるよ」というイメージ写真です。
青色の食品は自然界にはあまり存在しないため、人は青い食品を不気味に感じてしまうと言われています。そのため食品のパッケージには青ではなく赤などの暖色系の色が多く使われています。
街灯の青は「防犯効果を高める?」

空や海の色である青は、副交感神経を刺激し、体温、脈拍、血圧を下げ、私達をリラックスした状態に導いてくれます。また青を見るとセロトニンという癒しホルモンも分泌されるようです。そのため青い街灯は防犯効果があるのでは?と一時期話題になり、日本でも青色街灯を導入した自治体がいくつもあります。実際に青色街灯を導入したことにより犯罪件数が減ったという報告もあるんですが、社団法人日本防犯設備協会が検証したところによると「期待されたような利点は認められない」という結論に至っているようです。残念ですね。
実際にどのような検証をしたのかはわかりませんが、体温、脈拍、血圧を下げる効果があるのであれば、少しは防犯効果があるんじゃないかと私は今でも期待してしまいます。
子供部屋の壁紙の青は「時間を遅く感じさせ、集中力を高める」

子供部屋に限った話ではありませんが、青は時間を遅く感じさせ、飽きさせず集中力を高めることの出来る色だと言われています。そのため子供部屋に青い壁紙を使ったり、オフィスでも青いパーテーションなどを使って、職員が集中できるように工夫されている会社があります。
また青は涼しく感じさせたり、入眠を促してくれる効果もあるようです。そのため寝具には淡い青が使われることが多いんですね。特に最近流行?のひんやり系寝具は、ほとんどがシャーベットブルーです。
余談になりますが最近睡眠障害で悩まされている人が世界規模で増加しているようです。それも都市部だけに限らず、田舎でも都市部と同程度の割合の人が睡眠障害で悩まされています。昔は「これは都市環境のせいだ!」みたいなことを言っていたような気がしますが、田舎でも同じように睡眠障害が増えているとなると、原因は何なんでしょうかね。睡眠障害にはシャーベットブルーの枕で対抗しましょう!
スーツの青は「冷静さや堅実な印象を与える」

青は、落ち着きや冷静・堅実などの印象を与えます(特に濃い色)。ビジネスでは相手に「信頼できる人」「知的で冷静な人」「誠実な人」などの印象を与えることは大切です。そのため、昔からスーツにはネイビーがよく使われます。また青色は相手に良い印象を与えるだけでなく、自分自身にも良い効果を与えてくれます。例えば心を落ち着かせる効果があるので、落ち着いて物事を判断しやすくなりますし、集中力が高まりますので、仕事の効率が高まりミスが減るかもしれません。
またスーツは非常に配色のバランスが良い服です。以前「配色の基本。メイン・サブ・アクセントカラーを極める!」で話したように、メイン7対・サブ2.5対・アクセント0.5の面積比率で配色すると、美しいデザインに仕上がると説明しましたが、スーツはまさにこの面積比を守っています(特に前ボタンを開けている時)。
ジャケットとパンツが7割、シャツが2.5割、ネクタイが0.5割です。このためスーツはかっこよく、昔からあまり形を変えず存在し続けるのかもしれませんね。
ブルースの青(ブルー)は「悲しみを伝える」

落ち込んだ気分や憂鬱な気分を「ブルーな気分」と言うように、青には悲しみや不安といったマイナスのイメージも含まれています。アメリカの奴隷制度下、黒人が生み出した「ブルース」も苦悩や悲しみを表現した歌です。ただ、ブルースは単純に「ブルーな出来事」を歌っているわけではなく、悲しみや苦悩の中に何らかの陽気さや楽しさ、この地で生きてゆく決意のようなものも表現されています。
映画の呪怨に登場する小さな男の子も青白く表現されていましたが、これも冷たさや悲しみ・不安といった印象を与えるためかもしれません。
青色が与える27の効果
青色が与える27効果については、上記で紹介した7つの活用例などを元にまとめているので、カブっている内容もあるかもしれませんが、その辺は大目に見ていただけると幸いです。
- 清らかさを与える
- 信頼感を与える
- 神秘的な印象を与える
- 堅実な印象を与える
- 知的な印象を与える
- 冷静な印象を与える
- 忠実な印象を与える
- 勤勉な印象を与える
- 厳格な印象を与える
- 冷淡な印象を与える
- 近寄りがたい印象を与える
- セロトニンを分泌させる
- 涼しく感じさせる
- 食欲を減退させる
- 時間を遅く感じさせる
- 睡眠を促進させる
- 幸福を連想させる
- 平和を連想させる
- 悲しみを連想させる
- 不安を連想させる
- 血圧を下げる
- 脈拍を下げる
- 怒りを静める
- 興奮を静める
- 集中力を高める
- 鎮静効果がある
- 遠のいて見える
最後に
色はそれぞれ何らかの効果を持っています。その効果を活かしてデザインに反映できれば、よりすばらしいデザインに仕上げることが出来ると思います。この記事が皆様が作るデザインにプラスに働いていただければ幸いです。
では、このへんで!
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プロのデザイナーだけではなく、初心者にもわかるようなクリエイティブなロゴデザインのコツ、役に立ちます、ありがとう。