Webディレクターだから間違えるECサイトの提案(商品詳細)

どんな業界・どんな職業に就いても同じことが言えるのですが、その業界で働いているからこそ学べることがあります。ですが、この業界特有の専門知識のせいで、勘違いが生まれてしまうこともあるんです。例えば、『伝えたい事は簡潔に書き、画面のスクロールは避けるようにする』これは私達WEB業界で働いている人であれば、よく知られたコンバージョンを上げるためのポイントの1つです。
ただ、実はこの『伝えたい事は簡潔に書き、画面のスクロールは避けるようにする』という事を提案したがために、売れないECサイトを作ってしまうことがあります。なぜか分かりますか? それは『人は買いたい商品の情報であれば、詳しく知りたい』と考えているからなんです。
今回は、WEB業界では正しいと思われているが、実は間違っている可能性のあるECサイトの提案について説明させていただきます。
本当に買いたい人は商品の詳細を詳しく知りたい
webディレクターをしていると、【ユーザーは長い文章だと読むのを面倒だと感じ、読まずにページを離脱してしまう】と考えると思います。私もそう思っています。不特定多数のユーザーは、長い文章を読むのを面倒だと感じます。それは事実です。なのでクライアントに提案する場合『伝えたい商品説明は簡潔に書いて、画面のスクロールを避けるようにしましょう。そして詳細に関しては別ページを設けるといいでしょう』と提案すると思います。ですがこの提案、間違っている場合があります。商品に対する購入意欲が高い人は、長い文章でも読むんです。いや、ユーザー自ら読みたいと願っているんです。
購入意欲の強いユーザーは、どこでも売っているありふれた商品でない場合、商品説明が長くても読んでくれるんです。
電池や、紙コップなどの、ありふれた商品を数多く扱っているサイトであれば、今までどおり『伝えたい商品説明は簡潔に書いて、画面のスクロールを避けるようにしましょう』と提案してもいいと思います。(今までに無い画期的な電池などの場合はもちろん別ですよ!)
ネットを歩き回り、比較検討をしてから購入する商品の場合、商品説明が細部まで分かりやすく説明されているサイトでユーザーは商品を買うんです。
ユーザーは納得のいく買い物がしたい
例えばあるユーザーが、今の枕だと疲れが取れず、仕事に支障をきたすので、寝心地のいい枕を探しているとします。
そんなときに、写真はきれいだけど、商品説明は短く、スクロールをせずに商品についての全ての情報が手に入るサイトと、
ただ商品を写しただけの写真だが、開発されるきっかけや、なぜ寝心地がいいのかが分かる科学的データや、同じように枕で悩んでいた人の顔写真つきレビューが書かれた情報の多いサイトでは、どちらで購入すると思いますか?間違いなく、商品について詳しく書かれた後者であると、わかると思います。
人は損をしたくありません。そして、説得してほしいと考えています(背中を押してほしいと考えると言ったほうが良いかな?)。そのため、ほしい商品の場合は、できるだけ多くの情報を調べるんです。そして売り手の説明文に説得され、納得して(得した気分で)商品を購入します。
別ページに商品詳細ページのリンクを貼ってもダメ!
『別ページに商品詳細を書いてリンクを貼っておけば、買いたい人は見るでしょ?』と思う人がいると思いますが、果たしてそうといえるでしょうか?
私は、見る人はいないとは言いません。ただ、かなり少なくなると思います。だってユーザーは、ファーストビューでページを離れてしまう可能性が強いために、皆ファーストビューに気をつけて、簡潔に内容の伝わるページを作るんですよね?
商品説明を求めているユーザーも同じで、ファーストビューでページを判断しています。『このページには商品詳細が書かれていない』と判断すれば、すぐにページを離れてしまいます。
【買い物カゴへ入れる】ボタンと同じくらい目立つ【詳細はこちら】というボタンを置けば、もしかしたら買いたい人はクリックしてくれるかもしれません。ですが、もっともクリックしてもらいたい買い物カゴボタンと同じように、詳細はコチラボタンを目立たせることが正しいでしょうか?
このようなことをすればユーザーを迷わせてしまいます。私は素直に説明文を書いたほうが良いと思います!
サイトのTOPページはファーストビューが大事!
初めてそのサイトに訪れるユーザーほど、ファーストビューでサイトの良し悪し(必要か必要ないか)を判断します。そのため、TOPページには訴求したい情報や、キャッチーなコピーなどをスクロールせずに見られるようにするんです。
どのような商品詳細ページであっても、この事が当てはまると勘違いしてしまうことがありますが、『買いたい人は読みたいと望んでいる』という事を頭に入れておきましょう!そうすれば、より売れるECサイトを提案できるようになると思います!
商品詳細ページはどうするべきか
商品説明が細部まで分かりやすく説明されているページにしたほうが良いと書きましたが、ただ、ずらずらと文章を書けば言い訳ではありません。具体的にどうしたら良いのかを述べることは難しいのですが、大切なことは、ターゲットユーザーとなるお客様が、どんな情報をどれだけ求めているのかを見極めるという事です。それを見極めた結果として、商品詳細が長くなる場合もあれば、短くなる場合もあると思います。
ただのスリッパを沢山の文章と、無駄な装飾で情報商材のように紹介しても、なかなか売り上げにはつながらないでしょう。ですが、巨峰(ぶどう)を情報商材のように紹介した結果、売り上げが10倍以上になったサイトもあるんです。どんな情報をどれだけ求めているのかを見極める。この力を身につけることで、より成果につながる提案ができると思います。
今後も、このような勘違いしてしまいがちな事例を紹介させていただきます。
少しでも皆さんの役に立てば幸いです!
では、この辺で!
とても参考になりました!
よく楽天なんかの商品ページで、情報商材化しているのを見ますが、この記事を読んで納得できた気がしました!