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デザイナーだから考える。赤色が与える27の効果と6つの活用例

アーカイブ:2012年07月03日  カテゴリーカラーデザイン  タグ  タグ:この記事は7分程で読めます。

デザイナーが考える赤とは。赤色が与える27の効果と6の活用例のイメージ

今年の5月末に、友人5人と鎌倉にお寺・神社巡りの旅行に行かせていただいたんですが、そのたびの途中、ちょうど鳥居をくぐりぬけた時に「なんで鳥居って赤が多いのか」という話題になりました。もちろん誰も的確な答えを持ち合わせていなかったんですが、なんとなく「力強くて神々しいからじゃない」見たいな感じに意見がまとまりました。
もちろん私は、WEBクリエイターとして「家に帰ったらちゃんと赤が使われる理由を調べよう!」と考えたわけですが(嘘です)、調べてみると、これがなかなか面白いものでした。色って奥が深いですね。

と言うわけで、本日は赤について調べた事などを紹介させていただきます。赤を基調としたデザインを考えるときなどに役立てていただければ幸いです。

赤色を利用した6つの活用例

まずは【赤色を利用した6つの活用例】を紹介させていただきます。その後【赤色が与える27の効果】について紹介させていただきますね。

鳥居の赤は「魔よけ」

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早速、冒頭で触れた鳥居の赤についてなんですが、これは魔除け効果を狙って赤になったと言われています。
この「魔除けとしての赤」なんですが、地蔵の涎掛けや、還暦の赤いちゃんちゃんこ・赤ちゃんの初宮参りの時に額につける朱点なども同様に、魔除けの効果を狙って赤が利用されているようです。

世界でも古代の赤く塗られた遺跡や、赤で描かれた壁画などが多くありますが、これらも呪術的な役割があったようです(諸説あるようですが)。古代の人々は、血や火を連想させる赤色に、力強い生命力を感じ、呪術的な役割を与えていたと言われています。

戦いの赤は「アドレナリン・闘志を高める」

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赤はアドレナリンの分泌を促進させると言われています。また赤は心身を緊張させ、人を興奮させる性質もあります。だから男性は女性の赤い下着に興奮するんですね。私は黒が好きですが。
西洋では昔から「赤色は戦いの色」とされていて、今でもスポーツのユニフォームに赤を採用しているチームが多いです。これもアドレナリンの促進効果があるためだと言われています。ちなみにイギリスの科学誌ネイチャーは「赤色のユニフォームを着た選手の勝率は55%」と発表しています。面白いですね。色だけで5%得できるなら是非赤を着ておきたいものです。

また武田の騎馬隊も「赤備え」でしたが、戦いやスポーツにおける赤は、アドレナリンの促進効果だけではなく、人に無意識に「恐怖心」を与えるとも言われています。武田の騎馬隊は見た目だけで人々に「強そうだ」と言う恐怖心を与えていたんですね。

信号の赤は「誘目性が高い」

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赤色はとても誘目性が高い色だと言われています。また赤色は人に注目されやすく、記憶されやすい色でもあります。そのため人に注目してもらいたい物や覚えてもらいたい物には、赤色を使うと効果的です。WEBサイトを作る場合も同様に、赤色をメインテーマにしたサイトのほうが、ユーザーの記憶に残りやすくなります。

赤は光の波長が長く、もっとも人の目に届きやすい色です。そのため信号機でもっとも注目してほしい・注意してほしい「止まれ」の意味を持つ信号に、赤が採用されているんです。もっとも人の目に届く色であれば、見逃すことが少なくなりますからね。また、消防車や消火器に赤色が多く採用されているのも誘目性が高いためです。人に見逃されてはならない「停止・禁止・危険」などを示す物には、赤色がよく使われています。

バーゲンの赤は「購買意欲を高める」

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赤色は人の購買意欲を高める色だと言われています。Web業界・広告業界だけに限らず、このことは多くの業界で周知されています。
特売を知らせるチラシや、デパートに貼られたセールと書かれたポスター・ショッピングサイトの【買い物カゴへ入れる】ボタンなども赤色がよく使われています。これらはすべて【買おうかどうかを迷っているお客様】に赤色の持つ購買意欲を高める効果を利用して、積極的に商品の購入を決断してもらうためです。赤色は人を前向きにさせ積極的に行動させる効果もあると言われています。
また赤色を商品のパッケージに採用しただけで、商品の売り上げが10%もアップしたと言う話も聞いたことがあります。それだけ、購買意欲を高められる色なんですね。

ファーストフード店の赤は「時間を早く感じさせる」

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色は人の体内時計に影響を与えると言われています。特に赤色は時間を早く感じさせる効果があるため、回転率を高めたいファーストフード店では多く使われています。赤は人の気持ちを明るくさせ、食欲を増進する効果もあります。また活気のある雰囲気を演出することもできる色なので、ファーストフード店には最適な色といえるでしょう。

余談になりますが、ファーストフード店での待ち合わせはしないほうが良いと思います。赤色に囲まれていると興奮しやすいですし、時間を早く感じさせるので、相手が遅刻したときなんかは、喧嘩になりやすいですからね。なので落ち着いた雰囲気のカフェで待ち合わせしたほうが私はいいと思います。コーヒーの香りは、リラックス効果があると言われていますし。

口紅の赤は「欲望を刺激する」

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すべての女性が男性の欲望を刺激するために赤い口紅を塗っているとは思いませんが(特に近代)、イギリスの動物学者のデズモンド・モリスさんは、女性が赤い口紅をする理由を「女性が赤い口紅を塗るのは、性的魅力・性的興奮をアピールするため」と述べています。
赤色は官能的で挑発的・誘惑的な色なので、欲望を刺激する色だと言われているようです。女性はこの特性をうまく利用して赤い口紅を塗っていたんですね。ただ古代では、鳥居と同じように魔除けのために赤い口紅を塗っていたようです。

赤いハイヒールや赤いドレスが魅力的に見えるのはこの特性のためだと思います(1の項目で触れた赤い下着もね)。

赤色が与える27の効果

この赤色が与える27効果については、上記で紹介した6つの活用例などを元に、いろいろな側面からまとめているので、カブっている内容もあるかもしれませんが、その辺は大目に見ていただけると幸いです。

  • アドレナリンを分泌させる
  • 血圧や脈拍を上昇させる
  • 興奮させる
  • 時間を早く感じさせる
  • 前向きにさせる
  • 積極的にさせる
  • 緊張感を高める
  • 購買意欲を高める
  • 体温を高める
  • 食欲を高める
  • 行動力を与える
  • 恐怖心を与える
  • 勇気を与える
  • 活気を与える
  • 闘志を与える
  • 欲望を刺激する
  • 華やかに感じる
  • 情熱的を感じる
  • 誘惑的に感じる
  • 健康的に感じる
  • 生命力を感じる
  • 怒りを感じる
  • 暖かく感じる
  • 危険を感じる
  • 覚えやすい
  • 注目しやすい
  • 目立ちやすい

一応【魔除け】という効果は書きませんでしたが、もしかしたら本当に魔除け効果もあるのかもしれませんね。赤ってかなり刺激的な色なので。

最後に

自然に色を効果的に利用できている活用例もいくつかありましたが、これらは長い歴史や文化の中で得られているものなので、実際には色を自然に活用するなんてなかなかできません。ですが色が持つ効果や特性を知っていれば、デザイン経験が浅くても色を上手に活用したデザインに仕上げることができるんじゃないでしょうか。この記事が皆様が作るデザインにプラスに働いていただければ幸いです。

では、この辺で!


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この記事へのコメント
  • Harai より:

    「赤は光の波長が長く、もっとも人の目に届きやすい色です。」
    とありますが、
    光の波長と届きやすさ(目立ちやすさ?)は関係ありませんよね?

    ちなみに私は色覚異常があるので、これらの効果はどれも期待できません(´・ω・`)
    黄色と黒の縞模様(警告色)の方が目立ちます。

  • 管理人 より:

    >Haraiさん

    光の波長の届きやすさと、目立ちやすさが、直接関係しているかはわかりません。ごめんなさい。
    太陽光は色味のない白色光と言われるんですが、実際にはその白っぽい光の中に、虹色(赤・橙・黄・緑・青・藍・青紫)が含まれています。昼間は太陽が白っぽくに見えますが、夕方は、太陽が西に傾くので、太陽が頭上にある昼間に比べ、光が空気中を通る距離が数十倍に長くなります。距離が長くなると波長の短い青い光は、どんどん散乱(光が空気中にある粒子とぶつかり四方に散らばる事)してしまい、目に届くころにはほとんど青い光は失われてしまうそうです。そのため夕方は赤に近い、波長の長い光が多く目に届き、夕日が赤っぽく見えるようです。

    光の波長は短いほど散乱が激しく、目に届きにくく。赤い光は波長が長いので散乱が少なく遠くでも簡単に見分けることができるようです。詳しくは良くわかりませんが、図書館の本にはそのように書かれていました。届きにくいから目立たない、届きやすいから目立つとは言えないかもしれませんね。

    面白いことに、暗い場所では青が鮮やかに見え、遠くまで見えるようです。たまに犯罪防止のために青い街灯を使っているところがありますが、これはそのためのようです。この現象はプルキニエ現象というので、興味があれば調べてみてください。

    高校生のとき、先生がホワイトボードに文字を書くとき、黒と青ばかりを使い、赤を使わなかったんですが、もしかしたら色覚異常のある生徒のことを考えてそうしていたのかもしれません。

    確かに黄色と黒の組み合わせのほうが、赤単体より目立つかもしれないですね。まだまだ勉強不足ですが、今後ともよろしくお願いいたします。

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